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2024年8月28日
『森は考える』 - 森の声を聞く新たな視点
本日の林業の魅力シリーズ第54弾では、
エドゥアルド・コーンの著作『森は考える』を取り上げます。
この本は、アマゾンの先住民と共に暮らす中で、
彼が見出した「森が考える」という驚くべき視点を描いた一冊です。
自然と人間の関係を見つめ直すための、深く考えさせられる内容が詰まっています。
エドゥアルド・コーンは、文化人類学者としてアマゾンに長期間滞在し、
現地の先住民との交流を通じて、「森」と「人間」の関係を再定義しました。
本書は、動物や植物、さらには森全体がいかにして人間とコミュニケーションを取るかを描いています。
これまでの西洋的な「人間中心の自然観」を超え、自然そのものが知覚し、思考し、
行動する主体であるという視点を提供しています。
「森が考える」とは、単なる比喩ではなく、
実際に自然が意思を持っているかのように働きかけてくるということを指します。
アマゾンの先住民たちは、森の動植物を「他者」として扱い、
それらと共生することで、自分たちの生活を成り立たせてきました。
森は単なる資源ではなく、生きた存在として人間と相互作用しているのです。
この本が伝えているのは、森や自然を単に利用する対象として見るのではなく、
彼らと対話し、その声に耳を傾けることの重要性です。
たとえば、樹木が生きるための戦略を見つけ出し、
森全体が調和を保つための仕組みを理解することで、
私たちは持続可能な森林管理の新たなアプローチを見つけることができるかもしれません。
『森は考える』は、林業従事者や森林管理者にとっても、非常に重要な示唆を与えてくれます。
持続可能な森林管理とは、ただ木を植えて育てるだけでなく、森全体の生態系を理解し、
森そのものと「対話」しながら、自然と共に歩む姿勢が求められます。
日本の林業にも、この「森が考える」という視点を取り入れることで、
未来の森林保全に大きな変革をもたらすことができるでしょう。
エドゥアルド・コーンの『森は考える』は、私たちがこれまで知っていた自然観を覆し、
新たな視点を提供してくれる一冊です。
森が考え、感じ、そして生きていることを知ることで、
私たちはもっと自然を尊重し、共存する方法を見つけることができるでしょう。
林業に携わる皆さんにとっても、非常に示唆に富んだ内容となっていますので、
ぜひ一度手に取ってみてください。