※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!
※動画でレクリエーションゲームをチェック!
2025年1月15日
日本の伝統伐採技術 – 『横木伐り』の知恵と工夫
森林伐採技術は、その地域の地形や
木材の特性に応じて進化してきました。
今回の林業の魅力シリーズ第152弾では、
日本の伝統的な伐採技術の一つである「横木伐り」に
焦点を当てます。
この技術は、主に急斜面や山間部での伐採作業に
適応するために発展しました。
現代の機械化が進む中でも、
伝統技術には見習うべき知恵と工夫が詰まっています。
1. 横木伐りとは?
「横木伐り」とは、山林の斜面で木を伐採する際に、
伐倒方向を精密に制御する技術です。
特に以下の特徴があります。
地形への適応性: 急斜面で木を安全に倒すための技術として開発されました。
道具の活用: 手斧や鋸を用い、木の倒れる方向を慎重に計算しながら作業します。
つるの役割: 伐倒方向を決めるために「つる」を残す技法が重視されます。
この技術は、現代の「おいづる式伐倒」にも通じるものです。
2. 横木伐りの手順
伝統技術の中でも、横木伐りは独特のプロセスを持っています。
以下はその概要です:
受け口の作成
木の根元に「受け口」を作り、倒れる方向を確保します。
受け口の角度と深さが重要で、木がどの方向に倒れるかを正確に予測します。
追い口の切断
受け口の反対側から「追い口」を切ります。
この際、「つる」を残すことで、伐倒の制御が可能になります。
横木の設置
伐倒した木が斜面で滑り落ちないよう、
横木(伐採した木材を固定するための横方向の木材)を利用します。
この技術は、木材が安全に収集されるだけでなく、作業者の安全も確保します。
3. 横木伐りの現代的価値
伝統技術である横木伐りは、現代にも多くの示唆を与えます。
環境への配慮
機械化が進む中でも、自然への影響を最小限に抑える技術として再評価されています。
持続可能な森林管理
横木伐りの知恵は、森林資源を無駄なく活用し、
次世代へと繋ぐ管理方法として注目されています。
教育の場としての活用
林業技術者や学生が、伐採技術の基本を学ぶ機会として取り入れられています。
日本の伝統伐採技術である「横木伐り」は、
自然と人間が共存するための知恵と工夫の結晶です。
現代の技術が進化する中でも、こうした伝統技術の価値を見直し、
次世代へ受け継いでいくことが重要です。
森林と向き合い続ける私たちにとって、
横木伐りは学ぶべき教訓を多く含んでいます。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ