※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!
※動画でレクリエーションゲームをチェック!
2025年4月16日
チェーンソーの歴史-切る技術の進化と伝統
水曜日は、古来から伝わる伝統や技術、道具を紹介する日です。
第214弾では、現代林業には欠かせない道具
「チェーンソー」の歴史に迫ります。
今でこそ当たり前のように使われているチェーンソーですが、
その起源は意外なところにありました。
今日は、チェーンソー誕生の物語から、その技術の進化、
そして林業に与えた影響までをたどってみましょう。
起源:まさかの医療器具!?
最初のチェーンソーは、なんと医療目的で開発されたものでした。
年代:18世紀末(1780年代)
開発目的:難産時の出産補助(骨盤を切る「シンフィシオトミー」)
構造:小さな刃がついたチェーンを手で回す構造で、
現代のチェーンソーの原型とも言える仕組みでした。
この道具は、外科手術用として医師ジョン・エイトキンや
ジェームズ・ジェフレイらが考案したとされます。
林業用チェーンソーの誕生
林業の道具としてチェーンソーが登場するのは、
それから約140年後のこと。
年代:1926年
開発者:ドイツのアンドレアス・シュティール(Andreas Stihl)
名称:Tree-felling Machine(伐木機)
特徴:当初は電動式で、重量は約50kg以上
2人がかりで操作する必要がありました
このチェーンソーは、手鋸や斧に代わる革新的な伐採道具として登場し、
伐倒作業の効率を劇的に向上させました。
技術の進化と普及
チェーンソーは、その後も進化を続け、林業だけでなく建設、造園、
果樹園などさまざまな分野で使われるようになっていきます。
1950年代:1人で扱えるガソリンエンジン式が普及
1960年代:アンチバイブレーション(防振)ハンドル搭載
自動オイラー、チェーンブレーキなど安全装置が改良
2000年代以降:電動式・バッテリー式が登場
排ガス規制対応や環境配慮型モデルが主流に
チェーンソーがもたらした林業革命
チェーンソーの登場によって、林業は大きな転換点を迎えました。
伐倒・玉切り作業のスピード向上
少人数での作業が可能に(人手不足対策)
高精度な加工が可能に(建材・製材用途)
同時に、使い方を誤れば大きな事故につながることから、
安全教育と技能講習の充実も不可欠な技術となりました。
まとめ:進化し続ける「道具」への敬意
チェーンソーは、単なる機械ではなく、
人と自然をつなぐ道具の進化系とも言える存在です。
木を切るという行為は、山と共に生きてきた人類の長い歴史の一部。
その営みを支える技術と道具もまた、伝統の延長線上にあるのです。
次にチェーンソーを手にするとき、その背後にある歴史と
先人たちの知恵に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ