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2025年4月22日
チコ・メンデス-命を懸けて森を守った男
火曜日は、林業や自然、環境に貢献した人物を取り上げる日です。
第218弾では、アマゾンの熱帯雨林を命がけで守り抜いた
環境活動家、チコ・メンデス(Chico Mendes)を
ご紹介します。
森を守ることは、生活を守ること。
そして命を守ること——。
彼の人生は、その信念を地で行くものでした。
誰だったのか?
本名:フランシスコ・アルヴェス・メンデス・フィーリョ
(Francisco Alves Mendes Filho)
生年:1944年(ブラジル、アクレ州生まれ)
職業:ゴム農民(セラングエイロ)から環境活動家へ
没年:1988年、反対勢力によって暗殺
チコ・メンデスは、ブラジルのアマゾンに暮らす
ゴム採取者(セラングエイロ)として生活しながら、
急速に進む森林破壊に立ち向かった人物です。
森林伐採に抗った日々
1980年代、アマゾンでは大規模な農地開発や伐採が進み、
ゴム農民たちは生業を失い、土地を追われていました。
メンデスは、森林を守りながら持続的にゴムを採るという
共存の道を提唱し、次第に国際的な注目を集めるようになります。
農民組合の設立
非暴力による土地占拠と抗議運動
国際NGOとの連携、世界への発信
森林を守ることは、自分たちの生活と文化を守ること-
そのシンプルで強い信念が、次第に広がっていきました。
「持続可能な林業」の先駆者
チコ・メンデスが語った未来のビジョンは、まさに今で言う
持続可能な森林経営(Sustainable Forestry)そのものでした。
木を伐らない林業
森林資源の非木材利用(ゴム、果実、薬草など)
地域住民による森林保全管理
彼は「森は伐って終わりではない。森と共に生きることができる」と
いう考えを行動で示し、それは今もなお、森林保護政策の基礎と
して語り継がれています。
暗殺とその後の影響
1988年12月、彼は土地開発を進める牧場主の依頼によって、
暗殺されました。
享年44歳。
彼の死は世界中に衝撃を与え、その後、ブラジル政府はアマゾンに
おける保護区制度を導入するなど、環境政策の転換点となりました。
今日、「チコ・メンデス保護区」や「チコ・メンデス財団」など、
彼の遺志を継ぐ取り組みが世界中に広がっています。
チコ・メンデスは、森を愛し、守り、共に生きた人でした。
彼の行動は、林業が単なる「伐る仕事」ではなく、
「人と自然の未来をつなぐ仕事」であることを
強く示してくれます。
今、日本の森でも、私たちは問われています。
「どう伐るか」だけでなく、「どう守り、どう生きるか」を。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ