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2024年12月19日
「木の文化」:針葉樹と広葉樹が語る日本の美意識と未来
林業の魅力シリーズ第135弾では、
小原二郎著『木の文化』を再び紹介します。
本書は、日本の伝統的な木材文化を針葉樹と広葉樹という視点から深掘りし、
鉄筋コンクリート文化への反省を交えながら、
木という素材の可能性と美意識を論じた不朽の名著です。
現代においても、その視点は色褪せることなく、
木材を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
1. 針葉樹文化と広葉樹文化
小原氏は、日本の文化を「針葉樹文化」と定義し、
ヨーロッパ文化を「広葉樹文化」と位置づけています。
日本では、ヒノキやスギといった針葉樹が建築や彫刻の主要な材料とされてきました。
一方、ヨーロッパでは広葉樹が家具や工芸品に多く使われ、
その違いが文化の特徴を形作ってきたと指摘します。
2. 彫刻と木材 – クスノキとヒノキの時代
本書では、日本における彫刻材の流れを俯瞰し、
特にクスノキとヒノキに焦点を当てています。
クスノキの時代: 弥生時代から平安時代にかけて、
クスノキが仏像彫刻の主材として使われました。
ヒノキの時代:平安時代以降、ヒノキが寺社建築や仏像彫刻の材料として台頭しました。
木材の選択は、単に機能性だけでなく、
美意識や文化的価値とも深く結びついています。
3. 木と日本人の美意識
本書は、日本人が木材に込める美意識を細やかに論じています。
例えば、木の温かみや風合い、時とともに変化する表情を大切にする
日本人の感性が紹介されています。
この美意識は、現代のインテリアや建築デザインにも多大な影響を与えています。
4. 鉄筋文化への反省
小原氏は、現代の鉄筋コンクリート文化への反省を述べています。
便利さと引き換えに、木の持つ温かさや文化的価値が失われつつあることを指摘し、
木材を再評価する必要性を訴えています。
5. 時代を超えた木材の価値
本書は、木という素材の持つ永続的な価値を再認識する格好のテキストです。
針葉樹と広葉樹、それぞれの特性を理解し、文化的背景とともに活かすことが、
未来の林業や建築、そして人々の暮らしに新たな可能性をもたらすでしょう。
林業の魅力シリーズ第135弾では、小原二郎著『木の文化』を通じて、
木材が日本の文化や美意識に与えた影響を探りました。
この本は、木材の歴史と文化、
そして未来への可能性を考える上で、今なお重要な一冊です。
木と人間の深い関係を感じ、
木材がもたらす文化的価値を再発見する旅に出てみませんか?
※職業人講和アーカイブ