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2024年9月13日
リチャード・メイブの『森の記憶』とイギリスの森林文化
「林業の魅力シリーズ第66弾」では、
イギリスの自然作家リチャード・メイブによる名著『森の記憶』を取り上げます。
この本は、自然と人間の関わり方について深い洞察を与えてくれる作品であり、
イギリスの森林の風景と歴史を描きながら、森林が人々の心に刻む影響について探求しています。
自然と人間の共生をテーマにしているこの作品は、
私たちが現代の生活で忘れがちな「森の声」に耳を傾けることの重要性を教えてくれます。
メイブは、イギリスの古代から現代までの森林の歴史を辿りながら、
どのようにして人々が森と共に生きてきたのかを描き出します。
森林は単なる資源としてではなく、神秘的な存在や神話の一部として、
古代人の精神文化にも深く根付いていました。
イギリスの古い伝説や宗教的儀式に森が多く登場することは、
その象徴的な役割を物語っています。
本書の中でメイブは、森がどのようにして「記憶」を持つ存在であるかを語っています。
木々や森は、単に自然の一部ではなく、
過去に起こった出来事や人々の営みをその枝葉に蓄えているという考え方です。
例えば、かつて森で行われた戦争や伐採活動、さらにそこに根付いた動植物の変遷を通じて、
森そのものがその歴史を語りかけているのです。
この「森の記憶」という視点は、私たちが森林をただの景色や資源として見るのではなく、
その存在に込められた意味を再評価するきっかけとなるでしょう。
現代社会において、森林は私たちの生活から遠ざかりがちです。
しかし、メイブは森林が人々に与える精神的、肉体的な癒しの効果や、
気候変動に対抗する重要な役割を強調しています。
彼は、都市化が進む中で、私たちがどのようにして再び森と向き合い、
共存していくかが今後の課題であると述べています。
『森の記憶』は、自然と人間の関係について考えるきっかけを与えてくれる貴重な作品です。
リチャード・メイブは、私たちが森をただの自然資源としてではなく、
共に生きるパートナーとして捉えることの大切さを教えてくれます。
現代において、私たちがいかにして森と共生していくのかを考えさせられる一冊です。
※職業人講和アーカイブ