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2025年4月8日
ギフォード・ピンショー — 近代林業の礎を築いた男
本日は4月8日火曜日。
火曜日は、森林や自然、林業の発展に寄与した偉人たちを
取り上げる日です。
第208弾でご紹介するのは、アメリカ合衆国林野局
(US Forest Service)の初代長官にして、
持続可能な森林管理の礎を築いた人物—
ギフォード・ピンショー(Gifford Pinchot)です。
科学的林業のパイオニア
ギフォード・ピンショー(1865–1946)は、
20世紀初頭のアメリカにおいて「科学的林業」を実践的に
導入した初の林学者・政治家です。
ヨーロッパで森林科学を学んだのち、
帰国後アメリカに林業の概念と技術を導入しました。
彼は、それまで乱伐や開発により荒廃していた
アメリカの森林資源に対し、「持続可能な利用」という考え方を導入し、
資源の保全と利用の両立を図る取り組みを推進しました。
US Forest Service の設立と理念
ピンショーは1905年、アメリカ合衆国林野局(US Forest Service)の
初代長官に就任。
彼の掲げたモットーは、
"The greatest good for the greatest number in the long run."
(最大の多数の、最大の長期間にわたる、最大の幸福のために)
この言葉に象徴されるように、
ピンショーの林業思想は極めて公共性が高く、
単なる資源利用ではなく、
「未来の人々のために、今、責任ある管理を行う」という
視点に立っていました。
また、森林を単なる経済的資源としてではなく、
公益のための共有資源と捉えた考え方は、
現代の持続可能な開発(SDGs)にもつながる理念です。
影響と今日へのつながり
ピンショーの影響は、アメリカだけでなく世界中の林業政策や
森林管理に及びました。
公的管理による森林保護区の整備
林業技術者の育成と教育の体系化
森林を基盤とした地域開発政策
彼の思想は、現在の「多面的機能をもつ森林管理」や
「公益的機能重視の森林経営」に通じるものであり、
林業が単なる伐採業ではなく、人と自然をつなぐ社会的インフラで
あることを示しました。
ギフォード・ピンショーは、
「林業とは、未来に向けた社会の意思である」という
ビジョンを持って活動した人物でした。
今、日本を含めた世界各国で森林の持続可能な利用が
求められている今こそ、彼の理念と業績から学ぶことは
多いのではないでしょうか。
森林は、人類全体の未来を担う資源。
そして林業は、
それをどう育て、守り、活かすかを
考える知恵の集積なのです。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ