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2025年2月18日
木造建築と森林が切り開くカーボンニュートラルの未来
本日の林業の魅力シリーズ第175弾では、
ドイツの気候学者 ハンス・J・シェルンフーバー(Hans Joachim Schellnhuber) に
スポットライトを当てます。
彼は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、
森林の保護と木造建築の推進を重要視する専門家です。
気候変動対策としての森林の役割と、持続可能な建築における
木材利用の可能性について、彼の研究と提言を深掘りしていきます。
1. ハンス・J・シェルンフーバーとは?
ハンス・J・シェルンフーバーは、ドイツの気候学者であり、
ポツダム気候影響研究所(PIK)の創設者です。
彼は、科学的視点から森林と建築が気候変動対策に果たす役割を分析し、
世界各国で政策提言を行っています。
彼の主な提言
・カーボンニュートラル社会の実現には森林の保全が不可欠
・持続可能な都市開発のために木造建築の導入を推進
・森林の炭素貯蔵能力を活かした温暖化対策の強化
2. 森林の保護とカーボンニュートラルの関係
シェルンフーバーは、森林がCO₂の吸収源として極めて重要な役割を果たすことを強調しています。
森林は、炭素を貯蔵し、気候変動を緩和する「地球の肺」として機能します。
森林のカーボンニュートラル効果
・二酸化炭素の吸収
→ 成長する木々はCO₂を固定し、地球温暖化を防ぐ
・持続可能な伐採と再植林
→ 適切な管理を行うことで、森林の炭素貯蔵能力を維持
・木材利用による炭素固定
→ 木材を建築に活用することで、炭素を長期間貯蔵可能
3. 木造建築の推進と都市開発
シェルンフーバーは、木材を活用した建築が都市の脱炭素化に貢献できると提唱しています。
特に、コンクリートや鉄に代わる「木材構造」の導入が、環境負荷を大幅に削減すると考えられています。
木造建築がもたらす3つのメリット
・CO₂排出量の削減
→ コンクリート建築よりもCO₂排出を最大40%削減可能
・エネルギー効率の向上
→ 木材は断熱性能が高く、冷暖房エネルギーの消費を抑えられる
・リサイクル可能な持続可能素材
→ 木材は再利用が可能で、環境負荷が少ない
木造都市開発の実例
・ドイツの「Waldstadt(森の街)」プロジェクト
・オーストリアの木造高層ビル「HoHo Wien」
・日本の木造建築規制緩和による都市部での導入拡大
4. 日本への示唆 – 林業と木造建築の未来
シェルンフーバーの研究と提言は、日本の林業や木造建築にも大きなヒントを与えています。
日本の林業に活かせるポイント
・国産木材の活用による地域経済の活性化
・林業と都市開発の連携を強化し、持続可能な木造建築を推進
・CO₂固定能力の高い樹種の植林と森林管理の高度化
特に、日本の木造建築の伝統技術(釘を使わない木組みなど)と、
シェルンフーバーの提唱する持続可能な木材利用の概念は、親和性が高く、
今後の発展が期待されています。
林業の魅力シリーズ第175弾では、ドイツの気候学者 ハンス・J・シェルンフーバー の
研究をもとに、森林と木造建築が支えるカーボンニュートラル社会について紹介しました。
森林と都市の関係を見直し、木材を活用した持続可能な社会の実現に向けて
行動することが求められています。
木造建築の普及や森林管理の強化は、日本の林業の発展にもつながる重要なテーマです。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
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