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2024年12月25日
伝統技術が生む美しさと実用性 – 曲げ物技術の世界
日本の木工技術の中でも、
曲げ物技術はシンプルでありながら機能美を追求する技術です。
木の柔らかさを利用して曲げ、釘を使わずに接合するこの技術は、
環境に優しく、木材の性質を最大限に活かす知恵が詰まっています。
今回は、秋田県の大館曲げわっぱを中心に、
日本各地に根付く曲げ物文化とその技術について掘り下げていきます。
1. 曲げわっぱの起源と歴史
曲げわっぱの歴史は古く、江戸時代中期にさかのぼります。
秋田県大館地方の武士たちが副業として始めたことが起源とされ、
地元のスギ材を使って作られました。
江戸時代の庶民の弁当箱として普及し、
今でもその伝統技術は継承され続けています。
現代では、お弁当箱や菓子器、湯桶など多様な製品が作られています。
2. 曲げわっぱの特徴と製作工程
曲げわっぱの魅力は、木材の軽さと通気性の良さにあります。
ご飯がべたつかず、適度な湿度を保ってくれるため、今でも人気があります。
製作工程:
木材の選定 – 秋田杉を使用。木目が細かく、加工しやすい素材。
蒸し曲げ – 板材を蒸して柔らかくし、型に合わせて曲げる。
乾燥・仕上げ – 曲げた木材を自然乾燥させ、細かな調整を行う。
桜皮で綴じる – 接合部分を桜の皮で縫い合わせる。釘は使わない。
この工程には熟練の職人技が必要で、一つひとつが手作業で丁寧に作られます。
3. 他地域の曲げ物技術
曲げ物技術は秋田県だけでなく、日本各地で独自の発展を遂げています。
北海道 – 木樽作り
木製の酒樽や味噌樽が代表的。北海道産のカラマツなどを使用。
奈良県 – 吉野の曲げ桶
神社仏閣で使われる桶や器を製作。耐久性と精緻なデザインが特徴。
4. 現代に活かされる伝統技術
曲げわっぱは今、デザイン性と実用性が評価され、
インテリアや雑貨としても再注目されています。
職人が手掛ける製品は一点物としての価値が高く、海外でも人気です。
さらに、曲げ物技術は環境に優しい製法でもあり、
プラスチック削減の観点からも見直されています。
曲げ物技術は、木の特性を活かした持続可能なものづくりの象徴です。
林業と木工技術が融合したこの文化を守り、未来に繋げていくことが、
森林保全や地域活性化にも貢献します。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ