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ログハウス講座 番外編その1:正倉院とログハウス-日本にあったログ構造のルーツ

2025年4月20日

正倉院とログハウス-日本にあったログ構造のルーツ

 

 

ログハウス講座「ログワーク編」は

 

昨日のvol.39で一区切りとなり、

 

次はいよいよ仕上げ工事編に入りますが、

 

少し寄り道してログハウスの知識として番外編をお届けします。

 

 

本日は、「日本にあったログ建築のルーツ」に迫ります。

 

 

ログハウスといえば北欧や北米のイメージが強いかもしれません。

 

しかし、日本にもそのルーツに通じるような建築が

 

存在していました。

 

それが、奈良・正倉院(しょうそういん)です。

 

 

 

 

 

 

正倉院とは

 

建築年:8世紀(西暦756年頃)

 

所在地:奈良県奈良市東大寺境内

 

構造様式:校倉(あぜくら)造り

 

この建物は、聖武天皇ゆかりの宝物を収めた正倉(宝物庫)として建立され、

驚くべきことに1200年以上の時を超えて現存しています。

 

校倉造りは、三角断面の材木を横に積み上げて壁を構成する構造で、

ノッチ加工によって丸太を組み上げるログハウスと極めて類似しています。

 

 

 

正倉院とログハウスの比較

 

項目 正倉院(校倉造り) 西洋ログハウス(丸太組み構法)
使用材 ヒノキ(三角形) スプルースやマツ(丸太)
組み方 横に積み重ね、角を嚙合わせる ノッチで組み合わせて積む
接合 釘を使わず、木材同士を圧着 ノッチとダボで固定
通気性 通気性抜群で湿度調整に優れる 気密性は高いが工夫が必要
用途 宝物殿(非居住) 住居・避難用・別荘等

このように、正倉院は構造的に見れば、世界最古級の「ログ構造建築」と

呼ぶにふさわしい存在です。

 

 

 

世界のログ建築と比較してみると…

 

スウェーデン移民が建てたアメリカ最古のログハウス(1638年)

 

ノルウェーのログ教会群(12世紀以降)

 

これらと比べても、正倉院は数百年も古いことが分かります。

つまり、日本にはすでに8世紀の段階で、木材を横積みにして

気密性や強度を保つ高度な技術があったのです。

 

この事実は、ログハウス文化が西洋だけでなく、

日本にも古来から存在していたという新たな視点を与えてくれます。

 

 

 

なぜ三角材なのか?

 

校倉造りに使用される三角材は、

 

通気性を保ちつつも湿気がこもらない

軽量で加工性が高い

組んだときに自然に締まりやすくなる

 

といった、現代の木造建築にも通じる合理的な構造美を持っています。

 

 

この構法が一切釘を使わずに1000年以上建ち続けている

というのは驚異的であり、ログハウスづくりにも大きなヒントを

与えてくれるでしょう。

 

 

 

まとめ:正倉院は“日本のログハウス”だった!?

 

ログハウスの魅力は、木の力を最大限に引き出し、

 

組み合わせだけで耐久性を持たせるという自然と

 

一体になった建築思想にあります。

 

 

正倉院の校倉造りもまさに同じ発想から生まれており、

 

ログハウスを学ぶ私たちにとって「日本にもルーツがあったのだ」

 

という驚きと誇りを感じさせてくれます。

 

 

仕上げ工事編に進む前の番外編として、

 

ぜひこの「木の知恵」にも目を向けてみてください。

 

 

 

https://youtu.be/IAcN2RzH30A?si=bfPNR7-0EfzQuwq9

 

 

 

 

 

 

※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。

 ぜひご覧ください。


https://youtu.be/Lg37ja7FnBk

カテゴリ:ログハウス講座
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